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''MP18 サブマシンガン(エリート)''


サブマシンガンの概念は第一次世界大戦中、突撃歩兵による現代的な浸透戦術の確立と並行して生み出された。1915年、イタリア軍のアルディーティに銃身を2つ備えたVillar-Perosa SMGが配備されたのが最初である。同年、ドイツのライフル試験委員会が塹壕戦に特化した銃の要件をまとめた、すなわち、単純かつ安価に製造できる構造を持ち、軽く、9mmパラベラム弾をフルオートで撃てる銃である。当初、委員会はLange Pistole 08をフルオートに改修しようとしたが、その軽さと速すぎる連射速度のために射撃のコントロールが不可能であった。1890年代にブローバック機構ピストルを開発したルイス・シュマイザーの息子、ヒューゴ・シュマイザーは、1916年、父の生み出した機構をより大型の銃のフルオート化に用いる取り組みに着手した。シュマイザーのマシンピストルの試作品はテスト及び評価のために軍に提出され、その画期的なオープンボルト・ブローバック機構の耐久性が極めて高い事が証明された。同試作品は、一般的なライフルストックを備え、造り、仕上げとともに最終製品に近いものがあり、レシーバーは厚みのあるチューブ、ボルトはブロック鋼材から旋盤で削り出され、銃全体の部品数はわずか34点であった。最初の試作品は装弾数20発のボックスマガジンを使用していたが、試験委員会は、すでにP08用に広く普及していた装弾数32発のTrommelmagazin(スネイルマガジン)への変更を強く求めた。

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1918年頭、シュマイザーの銃はついに「Maschinenpistole 18.1」の制式名で採用され、来る春季大攻勢カイザーシュラハトに向けて5万丁が即座に発注された。そして大攻勢の中で、"MP18"はシュトルムトルッペンの支持を得て、攻撃と前進を繰り返す戦術に適していることが示された。MP18は、ドイツ兵の間で「Grabenfeger」(塹壕箒)、「Kugelspritze」(弾薬吐き)などと呼び習わされた。実験においては、スネイルマガジンの複雑さと連射速度への対応の悪さが最大の弱点となったが、全体としてMP18の働きは良好であった。さらにハインリッヒ・フォルマーが、実験的な装備として、兵士の腰に付け、柔軟なホースで銃本体とを接続するMP18用の60発入りスプールマガジンを開発している。

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最終的にMP18の生産は予定数に達せず、休戦協定までに少なくとも3万丁が作られたとされるが、前線にまで到達したのは1万丁ほどであった。1918年10月17日のセルの戦いでは、キングズ・シュロップシャー軽歩兵第1大隊がドイツの防衛部隊よりMP18を手に入れ、同銃は戦利品としてストックに印を刻まれ、今もイギリスの博物館に飾られている。フランス軍も同国の最終校正で多数のMP18を手に入れ、その分析に着手し、直接の成果としてMAS1924などの戦間期のサブマシンガンが生み出された。第一次世界大戦後、徴収されたMP18はフランス軍で使われ独自の拡張マガジンまで作り出されている。

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MP18が連合国陣営に与えた衝撃はヴェルサイユ条約からも明らかで、そこでは、ドイツが生産、保有可能なサブマシンガンの数に明確な制限が加えられ、ドイツ警察用のMP18数百丁も数に入れられていた。それらのMP18は、元の20発入りマガジンへと再改修されたが、その頃までにシュマイザーはマガジンの特許を取っており、マガジンには彼の名が刻まれている。同マガジンは、後にMP40などのドイツのサブマシンガンにも使われ、このことが、ヒューゴ・シュマイザーがMP40の設計者として、しばしば誤って認識される原因であるというのが多くの見方である。画期的なMP18の開発者としての名前がほとんど忘れられかけていることを考えると皮肉な結果である。MP18は民兵組織ドイツ義勇軍で使われ続けた。1922年、ワイマール共和国外相ヴァルター・ラーテナウの暗殺でもMP18が使われている。ドイツでのサブマシンガンの制式化はMP38まで飛び、限定的ながらMP18も第二次世界大戦を通して使われ続けた。MP18のオープンボルト。ブローバック機構は、イギリスのLanchester、ソヴィエトのPPD、フィンランドのSuomiなど、以降50年の間に登場したほとんどすべてのサブマシンガンの基礎となった。



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