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''RSC 1917''
THEY SHALL NOT PASS
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世界で初めて軍隊の主力小銃となったセミオートライフルは、1936年に採用されたアメリカのM1 Garandであるというのは有名な話であるが、それよりも20年ほど早くフランスがセミオートライフルを大量配備していたことを知る者は少ない。当時のフランス軍の一部は極めて先進的な思考を持っており、1890年代から自動式ライフルに関する実験的な取り組みを開始していた。1900年からは採用に適したセミオートライフルを探し始め、いくつかのモデルが契約を争っていた。Meunierライフルは最有力候補の一つであったが、高い製造コストと保守主義のために敬遠され、第一次世界大戦勃発時のフランス軍はLebel 1886を主力としたままだった。
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しかし、大戦が急速に広がりを見せる中で、セミオートライフルへの興味も一新されてトライアルが再開された。1915年にはChauchat軽機関銃開発に関わった、リベロル、サター、ショーシャの3名の銃技師が彼らの「Fusil Automatique」(自動銃)の開発を始め、この銃は3人の名前の頭文字をとってRSCと名付けられた。RSCは、LebelのストックにBerthierの銃身など、既存のライフルのパーツを非常に多く用いる設計であった。Lebelライフルは数年前に置換が決定されており、そのパーツと生産設備の一部を流用できることは製造コストの低下につながった。また、RSCは当時の制式弾であった8mm Lebel弾を用いる唯一の候補でもあった。最初の試作版がLebel M1886/93ライフルを改造して造られると、すぐに優れた性能を見せる見込みが得られ、開発は継続された。Lebelライフルは銃身の下にチューブ型マガジンを備えていたが、この空間がフォアエンドの前方にガスを送り、オペレーションロッドを動かすガス機構に見事に再利用されていた。この仕組みは後のM1 Garandでも酷似しており、RSC 1917の影響があったとの説もある。RSC 1917はレシーバー下のヒンジで一端が固定されたマガジンを開き、専用の5弾クリップで給弾する仕組みだった。
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RSC 1917は1916年5月に正式採用されたが、その生産は一年近く遅れ、前線に配備されだしたのは1917年の夏であった。この時には各中隊に16丁ずつ支給され、主に分隊長や選抜射手に渡された。RSC 1917はおおむね信頼性が高く、兵士にも評価されたが、全長はLebelライフルに等しく、ガス機構の追加により、フル装弾で4.41kgのLebelに対し、装弾なしで5.25kgもあった。このためRSC 1917は取り回しが悪く塹壕戦に不向きとされ、切り詰められ、軽量化された4千丁のカービン版M1918も同じく生産された。
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RSC M1917は、1918年9月に生産が終了されるまでに8万5千丁を超える数が造られ、世界初の大規模な配備をみたセミオートライフルとなった。戦後、RSC 1917への興味は薄れたが、戦間期のフランス植民地における軍事行動で用いられ、1940年のドイツ軍によるフランス侵攻の時点でも一部は現役だった。この時に一部はドイツ軍により接収され、第二次世界大戦末期に国民突撃隊に支給されている。

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